大手町ランダムウォーカーさんの「世界一楽しい決算書の読み方」を読みました。
なぜこの本を読んだかと言いますと、
- 仕事上、数字を見る機会が増えてきた
- 数字を理解している方が、業務を優位に進められるということを実感した
- 数字に興味があった(文系なのでそもそも数字には強くはない)
- 投資信託を始めた(と言ってもつみたてNISAですが。。)
この辺りがこの本を読むキッカケとなりました。
もともと決算書という言葉には興味はあったのですが、
どの本を読んでいいかわからずいたところもあり、
タイミング的にもこの本に出会えたこともあり、読んでみることにしたのでした。
この記事の対象となる方
- 決算書って聞いたことあるけど、そもそもどんなものか知りたい
- 決算書を少しでも良いから理解できるようになりたい
- 仕事上で数字を読むことが増えてきた
- なんとなく知りたい
このあたりを知りたい方に読んでいただいて、
何かのキッカケになれば良いなと思います。
※この記事は2022年1月1日時点の内容です
1、決算書って何?
そもそも決算書って何なのか?
東京商工リサーチHPから概要をお借りしてきました。
企業の事業内容がわかる資料や、売上やその明細がわかる根拠資料として特に有用なのが、決算書なのです。
正式には財務諸表のこと。一定期間の経営成績や財務状態を明らかにするために作成される書類であり、
貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・キャッシュ・フロー計算書などが財務諸表に該当する。
上場企業など有価証券報告書の提出が義務付けられている企業以外の中小零細企業については、
キャッシュ・フロー計算書の作成義務はないが、企業状態を確認・判断できるツールであるため、重要な財務諸表となる。
出典:東京商工リサーチHPより
という感じです。
企業の状態を確認、判断するためのものということですね。
会社の日々の取引記録をまとめたものと考えるとイメージしやすいですね。
一体この財務諸表は誰のために作るものなのでしょうか?
作る意味あるんですかね?
2、決算書って誰のためにあるの?
そこで、財務諸表が誰のためにあるものかを確認しておきましょう。
①投資家
投資家は決算書を見て、価値が上がる企業か価値が上がらない企業か判断します。
②銀行員
銀行員は決算書を見て、
お金を融資してもちゃんと返してもらえる企業か判断します。
③経営者や大企業の本部長クラスのような役員
各ポジションによりますが、
新規事業計画を作成するときであったり、
企業買収のときであったり、決算書を見て判断します。
④就活生
優秀な就活生は決算書やIR情報を見て、
今後伸びていく企業か判断して、就職活動をします。
それぞれ立場は全く異なりますが、
とても重要な判断を取るときの材料として決算書を読みます。
3、財務3表って何?
財務諸表と言ってますが、
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュ・フロー計算書
をまとめて財務3表と呼ぶようです。
それぞれどんなものかと言いますと、
①貸借対照表
企業が保有している財産(現金や建物など)の残高を記録したもので、
Balance Sheet(バランスシート)といい、B/Sと呼びます。
資産、負債、純資産の3つで構成されてます。
・資産:将来的に、企業にとっての資金となるもの
・負債:将来的には企業が返済をしないといけないもので債務など
・純資産:返済が要らないお金や、過去の利益の累計など
②損益計算書
特定期間において、企業がどれくらい儲かったかに関する情報をまとめたもので、
Profit and Loss Statement(プロフィットアンドロスステートメント)といい、P/Lと呼びます。
収益、費用、利益の3つで構成されてます。
・収益:企業が事業を通して生み出せた成果のこと
・費用:収益を生み出すために使ったもの
・利益:収益 ー 費用で算出される企業としての黒字部分
③キャッシュ・フロー計算書
資金がしっかりと回っているか、企業の現金、預金がどれくらい増減したかを知るための資料で、
Cash Flow Statement(キャッシュフローステートメント)といい、C/Sと呼びます。
単なるキャッシュフローもありC/Fと呼びます。
営業活動、投資活動、財務活動のわけて動きを把握します。
・営業C/F:本業の事業での現金預金がどれくらい動いたかを示したもの
・投資C/F:固定資産や株式などの投資によって現金預金がどれくらい動いたかを示したもの
・財務C/F:借入、投資などの資金調達によって現金預金がどれくらい動いたかを示したもの
4、この本の良かったポイント3つ
決算書という言葉の実態を全く知らなかった自分が、
この本を読み切れたのは3つのポイントのおかげだと思います。
①実際の企業が実名で出てくる
実態がわからない決算書でしたが、
アパレルではUNIQLO、ZARA、しまむら。
小売ではコストコ、ドンキホーテ。
飲食ではドトール、ルノアール、コメダ珈琲。
実際の生活の中でよく見て、よく使うお店が実名で登場するので、
身近な自分ごとのように考えられて、とても読みやすかったです。
財務3表を通して、各企業の内部が見えるような感じがして、
どんどん先を読みたい、もっと知りたいと思えるように構成されていて、とても良かったポイントです。
②会話形式で話が進む
大手町のランダムウォーカーさん(著者)、学生くん、営業さん、投資家さん、銀行員さんが登場します。
大手町のランダムウォーカーさんの出題するクイズ形式の問題に、
それぞれの立ち位置からの視点で、発言していきます。
立場によって見方、考え方が異なるので、その点もとても勉強になりました。
この会話形式で進む点が、
自分がその人の立場になって、感情移入して考えられたので、理解は深まりやすいと思いました。
とっつきにくい難しい内容ですが、読みやすく作られているという点もとても好ポイントですね。
③解説がわかりやすい
会話形式で進むことで理解しやすい、イメージしやすいことも好ポイントですが、
本文で難しい言葉は必要最低限に抑えられていて、
自分のような無知の人でも理解しやすいように解説されていたので、読み切ることができたのだと思います。
ここに上げた3点は、
何から学習しようか迷っている人や、新しいことを学び始める人にとっては、
とても好ポイントだと思います。
最初に難しい本に手を出して挫折してしまう人にも、
まず最初にコレを読んで理解してから、難しい本に進むことをおすすめします。
5、まとめ
大手町ランダムウォーカーさんが出題するクイズに参加することで、
財務3表がどういうもので、
実在する企業がどのような戦略で、どのようなビジネスモデルで事業をしているかを見せてもらえた感じがします。
コレを見せてもらえたことで、
この本に出てこなかった好きなお店を運営している会社にも興味が出ましたし、
決算書についてより興味を持つこともできました。
まだ決算書を知らない人にとってのきっかけになればと思いますし、
きっかけになることは間違いないと思える良書でした。
ではー。